日本語で歌う台湾バンド ゲシュタルト乙女のMikanさん独占インタビュー

日本語で歌う台湾バンド、ゲシュタルト乙女のボーカルMikanさんにインタビューさせて頂きました。

2ndフルアルバム「Amoeba」にかける思いについて聞いています。

2022年3月16日にリリースされますので、是非ご注目ください!!

日本語で歌う台湾バンド「ゲシュタルト乙女」とは

ゲシュタルト乙女

ゲシュタルト乙女は、2016年1月に結成された日本語で歌う台湾バンドです。

ジャンルを問わないサウンドと、日本語で描く独自の世界観を持つ歌詞が魅力。

日本のアーティスト「SCANDAL」のRINAが注目する女性アーティストにも選ばれました。

ゲシュタルト乙女のファーストアルバム『視力検査』に収録された「EEヨ」をおすすめされています。

この曲はほんとうにいい曲なので、ゲシュタルト乙女をまだ知らない方にも聞いてほしいですね。

ゲシュタルト乙女

わたしははじめてゲシュの曲を聴いたとき、日本のバンドだと勘違いしてしまいました。

曲を聴いてもらったうえで台湾人が歌っていると言っても、信じてもらえないくらいです。

ボーカルMikanさんは日本語がペラペラで、インタビューもすべて日本語でお答えいただきました。

日本人である自分より日本語がうまいと正直思ってしまいました。

紡ぎだされる日本語のワードセンスには、驚きの色を隠すことができません。

歌詞のなかにも才能が存分に発揮されており、詩的な表現が含まれています。

今回は日本語で歌詞を描かれる理由と、2ndアルバムに収録された新曲にかける思いについて伺いました。

ゲシュタルト乙女ボーカルMikanさん

ゲシュタルト乙女

今回インタビューさせていただいた、Mikanさんについて簡単にご紹介させていただきます。

Mikanさんは1996年台湾生まれです。

2016年結成のゲシュタルト乙女で、ボーカルをされています。

作詞作曲を含む音楽活動に携われる傍ら、noteで台湾情報の発信もされていました。

趣味で陶芸教室に通っておられたり、絵を描いたりもされていますね。

未完のみかんという名前で、LINEスタンプも販売中です。

2021年からはFM北海道の「スパクル!!cool beats & pop life」にて、台湾情報を発信するコーナー「しゃべくりたいわん」を担当されています。

ゲシュタルト乙女Mikanさんのnote

ゲシュタルト乙女MikanさんのLINEスタンプ

ゲシュタルト乙女が日本語で歌う理由

ゲシュタルト乙女

――Mikanさんが日本語で歌うようになったきっかけは何ですか?

Mikanさん:高校生のときに日本語の勉強と歌詞を描くことをはじめました。曲作りのためのギターも同じ時期からはじめて、オリジナル曲を作ろうと思って。

台湾華語(マンダリン)で書いた曲の歌詞を友達とかに見られたら、ちょっと恥ずかしいじゃないですか。

それで最初は日本語で描いていて。自分が思うことがばれないようにみたいな感じで。

大人になったときには、日本語で描いた方が自分の心境や考えを表しやすいかなと思いまして。日本語が自分に似合うと気づきまして。それからずっと日本語で作詞してます。

――そもそも、日本好きになったのはなぜですか?

Mikanさん:日本のバンドが好きで。日本のドラマとか映画とかもかなり好きで。それを見るたびに自分もその言語をわかればいいなと思って。

――Mikanさんは日本語がとてもお上手ですが、日本語はどのように習得されましたか?

Mikanさん:高校2年生から本格的に勉強しようと思って。日本語能力試験に向かって勉強も頑張ろうかなと。今はYouTubeとかで日本語勉強できる動画とかいっぱいあって。そこから勉強することになって。

学校でも簡単な日本語のレッスンとかもあるんですけど。ほかのもっと深い部分は本とか読みながら、YouTubeの動画とあわせて勉強しました。

――歌詞のなかで使われている日本語は、日本人でも使わないような詩的な表現があります。こういった歌詞はどのように作られているのでしょうか?

Mikanさん:日本のペトロールズという自分の好きなバンドがあって。こういう自分が好きなアーティスト、好きな音楽から影響を受けたんじゃないかなと思います。高校時代から日本の小説を読むことがあって。そこからも取り入れたんじゃんないかなと。

――ほかにも好きなアーティストや影響を受けた方はおられますか?

Mikanさん:東京事変とか相対性理論、赤い公園です。

ゲシュタルト乙女2ndフルアルバム「Amoeba」について

――2ndフルアルバム「Amoeba」の制作で苦労したことはなんですか?

Mikanさん:今回の「Amoeba」は永生の象徴をテーマにしたんですよね。カタチで表現できない音楽をどんなカタチで表現するのかみたいな(苦労がありました)。

自分たちは音楽のジャンルにとらわれないようにしたいので、アルバムに全8曲あるんですけど、1曲1曲どんな風に表現していくのかというのを考えたりして。

この質問について、kaiakiの方にも聞いてみたんですけど、アレンジの方が一番苦労したとのことです。各楽器をバランスがとれるように配置するのが難しいという感じで。

録音しながらアレンジしていくというのもあったりして。試行錯誤しながら積み重ねて完成した曲なので。この部分が苦労したと言っていました。

――「Amoeba」1曲目の「intro」は歌詞がない曲ですよね。

Mikanさん:1枚目のアルバムでも「intro」みたいな概念の曲をいれていて。今回は2曲あるんですけど「intro」と「森」という曲です。切り替えというか。現在サブスクが流行っているなかで、アルバムごと音楽を聴く人が少なくなってきていて。

そのなかで、やっぱりアルバムの概念を重視したいというのがあって。ひとつの作品をはじめる前、中間に気分切り替えのための調整としての曲があったりして。

例えばレストランでフランス料理のフルコースを食べるときに、コース料理の途中でソルベ(シャーベット)でお口直しをすることがあるじゃないですか。それに似ているんじゃないかと思いますね。

気分の切り替えとかアルバムを聴くための準備だったりとか、前置きみたいな感じでいれましたね。

――「Amoeba」2曲目の日曜日に込めた思いについて

Mikanさん:この曲は自分と自分との会話みたいな感じです。生きていく中で、自分と自分の意見に反対するもうひとりの自分にたまに遭遇するじゃないですか。自分のこころの意見を確かめながらみたいな意味をこめて作りましたね。

――「再見」を「Amoeba」の3曲目に入れた理由

Mikanさん:コロナ期間で色んな別れとかを迎えることがあるじゃないですか。こういった別れは決して全部悲しいことではなく、自分が変わっていくとか生まれ変わる部分もあるんじゃないかと思っていて。ひとつのアルバムの最初の段階で、一緒に楽しもうねみたいな感覚で、この曲をアルバムの前半に入れています。

――「Amoeba」4曲目のMOTHERに込めた思いについて

Mikanさん:最初この曲を作ろうと言っていたのは、メンバーのkaiakiです。SNS(インスタ)で、小さいころから病気がある子供を看護しているお母さんの投稿を見ていて。ちいさな命でも色んな人に愛されて、病気に負けずに頑張っているのを見て。生命力の美しさと母親の自分の子供に対する無限の愛をみて、すごく感動して曲を作ろうと。

ゲシュタルト乙女

この曲は、自分のことがどんなカタチであっても美しいっていうことを信じてほしいとか、自分と自分のことを信じてほしいという歌詞なんですね。

自分がこの曲を書きながら、ネットフリックスでみたPOSEというアメリカのドラマの概念と似ている感じがしました。この曲の概念がドラマにもあるという感じで。

MOTHERを聴いてわからなったら、このドラマをみてもいいんじゃないかなと思いますね。

――「Amoeba」5曲目のUZUに込めた思いについて

Mikanさん:ひとが生きていく中で夢を持っているひとがたくさんいるじゃないですか。夢を持っていく中で、現実生活の色々なストレスと立ち向かって頑張らないといけないのもあって。

自分の夢と戦っているという感じを描きました

文字の渦(UZU)のとおりに、夢に向かって渦(UZU)のように廻っていくというイメージで。

――夢に向かって頑張る人を応援したいという曲でしょうか?

応援したいというか、夢に向かって色んな苦しみとかもあるなかで、それと戦っているという状態をそのまま描いたという感じです。それを文字にして表現したというカタチです。

――「Amoeba」6曲目の「森」について

Mikanさん:今までの曲はシンセサイザーを入れるのが少なくて。この曲はkaiakiが作った曲なんですけど、シンセサイザーの部分もかなり注目できると思います。

森のなかに向かって歩いて、暗闇の森から光がさしている感じをイメージした曲です。

――リラックスできそうな感じですね

Mikanさん:そうですね、先ほども言っていた気分の切り替えというか。

――「Amoeba」7曲目の「under the tree」について

Mikanさん:前に置いた「森」という曲にも関わるんですけど、「under the tree」という曲は、自分が旅人としての視点で、冒険に向かってタカラモノを探しに行くという物語なんです。

探しに行く途中で色んな困難とか喜びとかを迎えて、最後に気づいたことがタカラモノが自分が最初に出発したところにあるっていう。初心をわすれずにみたいな。遠回りして結局自分が探したいものが、いちばん最初に出発したところにあるっていうかんじ。

自分が冒険していくうえで初心を忘れずにみたいな感覚を入れて。この曲はアルバムの中で一番短い曲で、楽器の配置も簡単で。アコースティックギター1本だけで。いちばん純粋な音楽のかんじで純粋な思いを届けたいという意味を込めました。

――「Amoeba」8曲目の「不知道」について

Mikanさん:たまに自分の意見がほかの人の意見と違うときに、お互いに理解しあえない状況があって。わかってもらいたいという気持ちと、自分がわかってあげたほうがいいかなっていう感覚、悩みを文字にした感じです。

――曲名の「不知道」の日本語の意味は「知らない」ですか?

Mikanさん:そうですね、知らないとかわからないとか。ちょっと文字の遊びというか。「不知道」というのは漢字に書くと道を知らない、道を知ることができないという意味があるじゃないですか。自分が相手とうまくやり取りできないとか、理解できないときも道を知らないという状況なのかなと思って。あえて曲名を台湾華語(マンダリン)にしましたね。

――「不知道」をアルバムの最後に持ってきたことには何か意味がありますか?

Mikanさん:あります。

今サブスクが流行っているなかで、アルバムごと聴く人が少ないんじゃないかと思っていて。最後に置いたのは、みんなが曲を聴くときに、アルバム1曲1曲を聴いて最後に「不知道」を聴いたのか、そのまま直接「不知道」をサブスクで聴いたのかがほんとに分からない状況「不知道」で。なんだろうな、イタズラというか。

ほんとうに、アルバムごと聴いてほしいっていう気持ちもあって、最後の曲を「不知道」にしたんですね。

――コトバ遊びの部分があるんですね。この「不知道」は2月22日の10時にMVが公開ですね。

Mikanさん:そうです。

――ゲシュタルト乙女のYouTubeで見られるようになるんですね。

Mikanさん:はい

ゲシュタルト乙女(公式YouTube)

――YouTubeでも見られるけど、アルバムの方で通しで聴いた方がよりいいのかなという感じですね。

Mikanさん:2つの楽しみ方があるんですよね。

先に先行リリースで聴いて頂いて、アルバムとして最後の一曲、締めとして聴いてほしいなと思います。

ゲシュタルト乙女のこれからの活動とメッセージ

ゲシュタルト乙女

――日本に向けてやっていきたい活動を教えてください

Mikanさん:3月16日にリリースする予定の2ndアルバム「Amoeba」なんですが、CDの予約受付中です。まだコロナでなかなか皆さんに会えない状況なので、まずはCDを楽しんでいただいて。

もちろんライブやツアーとかも行きたいなっていう気持ちもありますので、そこに向かって頑張りたいなと思います!

――日本のファンにメッセージお願いします

Mikanさん:もし日本でライブやツアーをしてほしいと思っていたら、是非ツイートでつぶやいてください!!

ゲシュタルト乙女(公式Twitter)

ゲシュタルト乙女の2ndアルバム予約開始

ゲシュタルト乙女の2ndアルバム「Amoeba」の予約が開始されています。

インタビュー記事をみて興味を持たれた方、YouTubeでMVをみたり曲を聴いたりしてみていいなと思った方、ぜひご購入してみてください。

購入したらTwitterでつぶやいて拡散して、ゲシュタルト乙女さんを応援していきましょう!!

投稿見つけ次第、リツイートさせて頂きます。

日本ではあの有名なタワーレコードさんと、ディスクユニオンさんで予約ができます。

もちろん日本語のみで予約できますので、ぜひチェックしてみてください。

ゲシュタルト乙女2ndアルバム「Amoeba」予約ページ(タワーレコード)

ゲシュタルト乙女2ndアルバム「Amoeba」予約ページ(ディスクユニオン)