台湾茶は台湾お土産としても人気が高く、お土産店でもよく見かけます。
台湾茶は主に、4大銘茶、高山茶、フレーバーティーの3種類があります。
種類の異なる台湾茶を飲み比べてみると、違いがよくわかります。
台湾茶を選ぶときに知っておきたいこと
台湾茶が誕生したのは今から約200年ほど前、1796年に中国・福建省の武夷山から柯朝という名前の商人が、お茶の苗木を台湾に持ち込んだことがきっかけだとされています。
台湾北部を中心に栽培されていた台湾茶は、その後中南部でも栽培されるようになりました。
1869年には台湾茶の父として知られるイギリスの商人、ジョン・ドットによって、台湾茶は「Formosa Tea」という商標でアメリカなどに輸出されて人気になります。
台湾茶を代表する品種は、台湾4大銘茶として知られる、東方美人茶、凍頂烏龍茶、木柵鉄観音茶、文山包種茶です。
台湾には3000メートル級の山が200座以上あり、高山茶の栽培に適しています。
実は台湾は世界一の高山茶の産地として知られており、阿里山や梨山で作られたお茶も人気です。
高山気と呼ばれる突き抜けるような強い香り、とまろやかな口当たりが特徴の高山茶は台湾茶好きな方の間でも注目されています。
台湾茶を購入するときは、台湾4大銘茶、高山茶、香りづけをしたフレーバーティーから選ぶのがおすすめです。
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台湾4大銘茶
まずはじめに、台湾4大銘茶の特徴についてご紹介します。
台湾4大銘茶はそれぞれ味わいが異なり、ぜひ飲み比べて頂きたいです。
東方美人茶、凍頂烏龍茶、木柵鉄観音茶、文山包種茶の特徴についてまとめました。
東方美人茶
東方美人茶は、茶葉をウンカと呼ばれる昆虫に噛ませて作られるお茶です。
ウンカに噛ませることで、フルーティーな味わいになることが知られています。
台湾新北市の坪林や台湾新竹県の北埔や峨眉が、東方美人茶の産地として有名です。
東方美人茶は梅雨の時期に増殖するウンカの力を借りるため、初夏にしか摘茶や製茶ができません。
東方美人茶は烏龍茶ですが、烏龍茶のなかでは最も発酵度が高く(70%程度)紅茶に近い味わいです。
※緑茶、ウーロン茶、紅茶の順に発酵度が高くなっていきます。
東方美人茶を取り扱っているお茶屋はたくさんありますが、代表的なのは天仁茗茶です。
1953年に台湾の高雄県岡山で創立した天仁茗茶は、台湾茶業界のなかでは唯一上場しています。
日本の神戸にも店舗があるのでそこで買えますし、オンラインショップでも購入できますよ。
凍頂烏龍茶
凍頂烏龍茶は台湾中部の都市、南投県の鹿谷郷東部が主な産地です。
凍頂烏龍茶は、標高700~900mの茶園でとれたものを主に指します。
高山茶が標高1000m以上と言われていますから、高山茶よりも少し低い場所で収穫されるのが凍頂烏龍茶です。
凍頂烏龍茶は発酵度が低いため(20~30%程度)、緑茶に近い味わいとなっています。
殺青(さっせい)の過程は日本茶と異なり、日本の緑茶ともまた違った風味です。
日本でも人気が高い品種で、成城石井やカルディーなどでも見かけることがあります。
台湾ならではのお土産を買いたいなら、1832年で台湾の台南で創業した王徳傳のお茶がおすすめです。
台北と台中に店舗を構え、ホームページによると日本語対応もしています。
木柵鉄観音茶
木柵鉄観音茶は烏龍茶の一種で、発酵度(30~50%程度)の台湾茶です。
東方美人茶と凍頂烏龍茶の中間ぐらいの発酵度の烏龍茶になります。
昔ながらの焙煎仕上げの木柵鉄観音茶は、芳醇な香りとフルーティーな味わいが特徴的です。
カカオに似た香りがすると評されるお茶で、台湾茶のなかでは文山包種茶に次ぐ古さです。
木柵鉄観音茶の「木柵」は台湾の地名で、木柵に行くと製茶場の見学をすることもできます。
周辺には台北市立動物園や猫空ロープウェイがあり、日本人観光客も多いエリアです。
猫空ロープウェイ「猫空駅」周辺にはお茶屋さんがたくさんあり、台湾の景色を眺めながらお茶を楽しむのも風情があります。
文山包種茶
文山包種茶は、烏龍茶のなかでは発酵度が低い(15%程度)のが特徴です。
台北近郊に位置する文山茶区(石碇、坪林など)で主に栽培されています。
発酵度が低く、緑茶に近い味わいの台湾茶になります。
緑茶のような爽やかな口当たりと、蘭の花に似た香りがする台湾烏龍茶です。
文山茶区には日本統治時代の茶業指導所「文山農場」があり、茶摘みや製茶体験もできます。
日本人観光客がなかなかこない場所にはなりますが、お茶好きの方にはぜひ足を運んでいただきたいです。
台湾高山茶
台湾高山茶は、台湾にある標高1000m以上の茶園で栽培されるお茶のことを指します。
栽培量が少なく貴重なため、お値段が高いことが多いです。
一般的には栽培される標高が高いほど、値段も高くなるとされています。
標高が高い場所で栽培されることから、苦みが少なく、まろやかな味わいになります。
高山茶特有の高山気と呼ばれる、突き抜けるような強い香りも特徴的です。
このような味わいになる理由としては、高山は気温が低く、日照時間が短いことがあげられます。
厳しい環境で育つ高山茶は、短い日照時間のあいだで光合成をおこなうため、お茶の渋みの原因となるカテキンが少なく、旨味成分のアミノ酸が多くなるのです。
高山茶は主に台湾の中南部で栽培されており、ブランド化されている産地もあります。
代表的なのは、阿里山、梨山、杉林渓です。
特に産地の指定がなく、台湾高山茶として販売されているお茶も多く見られます。
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阿里山高山茶
阿里山高山茶は今や台湾で栽培される高山茶のなかで、一番知名度が高い茶葉と言っても過言ではありません。
高山茶のなかでは流通量が多く、お茶屋さんだけでなくスーパーでも購入可能です。
台湾南部にある、阿里山(標高1,000~1,700メートル)で栽培されたものが阿里山高山茶とよばれます。
本当に阿里山で栽培されたものかどうかを見分けるためには、パッケージ等に貼られている阿里山高山茶產地證明標章を確認するのが確実です。
阿里山高山茶を選ぶときは、産地証明書を確認してから買うことをおすすめします。
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梨山高山茶
梨山高山茶は台湾高山茶のなかで最高級品とされており、阿里山高山茶と比べると流通量も少ない貴重なお茶です。
梨山(標高1700m~2500m程度)の茶園で栽培されたものを指します。
梨山は台中県に属する山脈で、台湾にある茶園のなかではいちばん標高が高い場所です。
スーパーに売っていないか探してみましたが、見つけることはできませんでした。
梨山高山茶を購入したいなら、台湾のお茶問屋に行くと良いでしょう。
近年は台湾茶ブームもあり、日本の通販でも台湾茶を購入できるお店が増えました。
Amazonや楽天などでも購入できることもあるので、通販サイトをチェックしてみてください。
杉林渓高山茶
台湾南投県竹山鎮にある、杉林渓茶園区(標高1600m~1800m程度)で栽培されるお茶です。
台湾高山茶のなかでもブランド化されており、そこそこお値段がします。
スーパーでは販売されていることは稀で、お茶屋さんで買うのが一般的です。
渋みが少なく、甘みが強い烏龍茶になります。
台湾フレーバーティー
台湾茶のなかで忘れてはならないのが、フレーバーティーです。
フレーバーティーとは緑茶や紅茶をベースに、果物や花などで香りづけをしたお茶のこと。
ここでは代表的な、台湾茶のフレーバーティーをご紹介します。
ジャスミンティー
こちらは、天仁茗茶でも人気のジャスミンティーです。
緑茶に豊かな花の香りが特徴的な、ジャスミンで香りづけをしています。
ジャスミン茶は台湾でも人気があり、フレーバーティーのなかでは定番です。
菊花プーアル茶
天仁茗茶で販売されている菊花プーアル茶も、定番のフレーバーティーです。
菊の花で香りづけされているプーアル茶になります。
プーアル茶は緑茶、烏龍茶、紅茶と違い、微生物の力で発酵させる後発酵茶です。
プーアル茶といってもピンキリで、スーパーで安価に購入できるものもありますが、5年熟成させたお茶はかなりお値段が高くなります。
色味は黒に近い茶色で、芳醇な香りのする渋い味わいが特徴です。