台湾発アジア最大級のグローバル通販サイト、Pinkoi(ピンコイ)をご紹介します。
「世界中のデザイナーの力になりたい」という創業者の思いで2011年に台湾で設立されたPinkoiは、2023年6月現在、全世界で600万人以上の会員数を誇るECサイトに成長を遂げている。
台湾、中国、香港、タイ、韓国、日本など、世界各地域のデザイナーから直接商品を購入できるのが強みだ。
今回は拡大し続けるPinkoiの成長を支え、見守ってきた台湾のスタッフにお話を伺った。
Pinkoiの成長を見守ってきた仲間
今回お話を伺ったのは、PinkoiでPR managerとして働いているAbby、アシスタントのLucy、翻訳担当のJessicaの3人。
Pinkoiで6年ほど勤務しているAbbyは、Pinkoiの成長を支え、間近で見てきた人物だ。
現在Pinkoiのスタッフはグループ合計186名だが、Abbyが入社したときは50~60名ほどだったという。
当時PR担当はAbbyだけで、台湾だけでなく日本を含めた全地域のPRをひとりで担当していた。
日本チームができた現在は年に数回イベントを開催しているが、当時はイベントを1回開催するだけでも大変だったことを懐かしそうに話していた。
Abbyはおっとりとしていて、落ち着いた雰囲気があった。
アシスタントとして帯同していた後輩のLucyも、Abbyに対して緊張することなく友達のように接していて、良い意味で上司と部下の垣根は見られなかった。
Pinkoiでは役職を越えてフラットに接する、オープンな環境が推奨されているという。
Abbyのような優しく受け止めてくれる上司がいたら、安心して仕事をすることができるだろう。
LucyはAbbyに対して、屈託のない意見を言うことができるらしい。
Lucyはとても細やかな気遣いのできる人で、天真爛漫で明るい印象を受けた。
仕事でいちばん楽しいことは何かと聞くと「多すぎて選べない!全部好き!」と答えるほど、Pinkoiでの仕事を楽しんでいる。
先輩に言わされているのかと疑いたくなるぐらいはっきりした答えだったが、本当に仕事を楽しんでいることが、Lucyの嬉しそうな表情から感じ取れた。
デザイナーと直接会ってブランドストーリーを聞くことが大好きだ、と目を輝かせて話してくれたのが印象に残っている。
JessicaはPinkoiで8年働いているスタッフで、主にwebサイトの翻訳を手掛けている。
日本に留学経験のあるJessicaは日本語能力が堪能で、繊細な感情を日本語で表現することができる。
日本語でPinkoiのサイトを利用できるのは、Jessicaの力に寄るところが非常に大きい。
Jessicaは台湾の花蓮出身で、花蓮や台東などの台湾東部がおすすめだという。
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花蓮や台東でもデザインマーケットが開催されることが多く、そういったイベントにも足を運んでもらいたいと話していた。
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女性にとって働きやすい会社
Pinkoiで働くスタッフは女性が多く、全体の7割を占めているという。
しかも7割以上の管理職が女性だ。
育児休暇をはじめとした福利厚生も整備されており、女性が働きやすい職場環境だと言えるだろう。
子育てをしながら働いているスタッフも多く、子供が体調を崩したときや、行事への参加が必要なときなど、早退や有休を使うことに関しても職場の理解が得られやすいという。
ある時期は、なんと全社員の6割が子育て中だったらしい!
身近に子育てを経験した同僚や上司がいるのは、子育てをしながら働くうえで大きな安心感につながるのは間違いない。
驚いたことに、Pinkoiでは女性スタッフの採用を意識的に行っているわけではなかった。
性別を問わず採用は平等に行っているが、Pinkoiのユーザー層の大半を女性が占めていること、デザインに興味があるのは女性が多い傾向にあることなどから、必然的に女性スタッフが多くなっているらしい。
一般的には男性が多いと言われるwebエンジニアも、Pinkoiでは女性が多いそうだ。
Abby曰く、残業は大きなイベント開催時にはあるが少ないとのこと。
プライベートも楽しむことができる環境が整っていることが、働くうえでのモチベーションにもつながっているのだろう。
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Pinkoiの目指すサスティナブルな社会
Pinkoiではオフラインイベントを通して、環境問題に積極的に取り組んでいる。
直近では4月22日の地球の日(アースデー)に合わせて、期間限定で台北のカフェ COFFEE LAWとコラボしたポップアップストアをオープンしていた。
環境に配慮した商品の紹介がいくつか行われており、実際に商品を手に取ることができるイベントだ。
ECサイトで写真を見て購入を決めるのも良いが、実物を見ることで商品の質感やサイズ感がよく分かるので、こういったオフラインイベントは有益だなという率直な感想を持った。
折りたたんで何度も使えるお弁当箱、繰り返し洗って何度も使うことができる綿棒、ブラシ部分を交換して使える歯ブラシ、廃材を使ったアクセサリー、廃タイヤを再利用したサンダル、環境に配慮した素材で作られた眼鏡、国際COSMOS認証のシャンプーなどが展示されていた。
どれも環境に配慮された商品ながら、実用性も兼ね備えているしデザイン性も高い。
展示されていたブランドの多くは日本で展開していないものの、Pinkoiのウェブサイトを通じて日本からも購入することができる。
COFFEE LAWとコラボした、期間限定メニューの提供も行われた。
緑色の地球をイメージしたプリンには、静岡産の抹茶とストレスフリーな環境(ゲージの外)で育てられた鶏の卵を使用。
フランス産のクリーム、カラメルやはちみつの甘さがマッチして、美味しくいただくことができた。
筆者はプリンが大好きでよく食べるのだが、このプリンはこれまで食べた中でも上位に入る美味しさだっただけに、期間限定で終わってしまうのは少しもったいない気がする。
Abbyに聞いたところ、今後もいくつかオフラインイベントが計画されているそうだ。
注目のイベントのひとつに、Pinkoi Design Awardがある。
Pinkoi Design Awardとは、「優れたブランドやデザインが国際的な舞台に立つ機会を作りたい」との想いの元、「デザイン・質感」×「ビジネス展開」×「サスティナブル」の3つのテーマを軸に、5つのデザイン賞が設定されているPinkoi独自のAwardだ。
初開催となった2022年のPinkoi Design Awardでは、茶籽堂や琅茶など、日本でも知名度が高いブランドがデザイン賞を受賞している。
毎年開催予定のPinkoi Design Award、今後の展開が楽しみだ。
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Pinkoiスタッフがおすすめするブランド
AbbyとLucyが、Pinkoiで扱っているブランドからおすすめのものを教えてくれた。
1つ目は、台湾大甲で立ち上げられ、40年の歴史を持つ「一帆布包」というブランドだ。
「一帆布包」は台湾で学生カバン(トートバッグ)を長年手掛けていたそうで、台湾ではよく知られていて、馴染みがあるブランドらしい。
毎日使える高い強度を備えたカバンは、布地も縫い目の細部も丁寧に仕上げられている。
現在Pinkoiで取り扱っている商品は100点あり、台湾ならではのデザインが施されたものが多い。
2つめのおすすめブランドは、漢方茶を扱っている楽木集Lomojiだ。
漢方茶は近年日本の女性の間でも人気が上昇しており、楽木集Lomojiの商品も日本で売り上げを伸ばしているという。
現在ピンコイで買えるアイテムは39点ほどあるが、Abbyがおすすめしてくれたのは足湯バッグという商品だった。
足湯バッグは漢方とお湯を入れて足を温める商品で、機能性だけでなくデザイン性も高い。
使わないときは、コンパクトに折りたたんで収納することができる。
日本ではなかなか見かけない商品で、今回ご紹介いただいた商品の中では個人的にいちばん興味を引いた。
楽木集Lomojiは店舗を持っていないブランドなので、Pinkoiのサイト上で購入するのがおすすめだ。
3つ目は印花楽 inBlooomというブランドで、台湾最大級の問屋街として知られる迪化街に店舗がある。
日本のガイドブックでもよく紹介されているブランドなので、知っている方も多いだろう。
印花楽 inBlooomは、マクドナルドやスターバックスなど100以上の企業と提携し、コラボ商品を度々販売している。
実は迪化街にある店舗の2階部分には、ワークショップを開催している蚤操染織という別のブランドが入居していて、Lucyはそこもお気に入りだという。
蚤操染織では藍染体験ができ、Lucyはよくお店を訪れているらしい。
4つ目のブランドは、2021年に迪化街でオープンした杜甲A-Maという唐辛子専門店だ。
日本人観光客が良く訪れるエリアにあり、高級感あふれる店舗の外観はひときわ目を引く。
辣油や花椒粉などの調味料を取り扱っており、辛い物好きな方にはたまらないお店だと思う。
AbbyとLucyのふたりは、印花楽 inBlooomや杜甲A-Maの店舗がある、迪化街(大稲埕)が台湾でいちばん好きな場所だと語っていた。
迪化街(大稲埕)には台湾雑貨のお店はもちろん、長居ができる本屋やおしゃれなカフェ、埠頭にはお酒が飲めるバーもあり、1日いても飽きないぐらいだ。
台湾旅行に行く機会がなくても、Pinkoiを利用すれば台湾のデザイナーの商品を購入することができる。
実際に迪化街で販売されている商品を日本から取り寄せることもできるので、記事で紹介した商品が気になった方は、ぜひPinkoiの公式サイトをチェックしてみて欲しい。