台湾の物価を様々な角度から比較してみた。1万円で何ができる?

台湾は経済発展に伴い、物価が年々上昇しています。

物価上昇に加え円安もあり、かつてのような格安旅行はできなくなりました。

2023年9月現在、台湾の物価は日本と比較してもそこまで安くはありません。

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台湾の物価を知って現地で使う予算を決める

台湾の物価についての情報を探されている方のほとんどが、「台湾旅行でいくらお金を持っていけばいいか?」という疑問を解消し、実際に持っていくお金を決めたいと考えていらっしゃいます。

そこで、最初に台湾旅行に必要な金額をお伝えします。

台湾旅行に必要な金額は1日当たり10,000円です。

2023年現在、10,000円を両替して手に入る台湾ドルは2000元程度です。

実際に台湾の空港で両替したときは愕然としてしまいました。

2019年ごろまでは10,000円を両替したら3000元近くはあったはずなのに…

両替で得られる台湾ドルが少ないのは円安の影響ですが、それに加えて台湾の物価もあがっているので10,000円の価値はさらに低くなっています。

この1日あたり、1万円という予算には根拠があります

実際に台湾で生活してきて、多くの観光地を回った結果導きだした答えです。

台湾の物価、食事、お土産代、観光地入場料などについて詳しく解説していきます。

【豆知識】両替用のお金はいらない

あまり知られていないですが、ほんとうは台湾旅行時に両替用の日本円は不要なんです。

台湾で使用可能なクレジットカードがあれば、ATMで台湾ドルを簡単に引き出すことができます。

代表的なクレジットカードは、エポスカード

※エポスカードは、台湾で使える年会費無料のカードで最も有名なもののひとつ。

しかも、空港の両替所で両替するよりお得になる場合も

空港や駅にあるATMを利用すれば、3分で両替が完了します。

詳しい内容は下記の記事や、クレカカテゴリの記事で解説しています。

食費は1日5000円程度が目安

台湾では外食が一般的で、朝食、昼食、夕食、すべて外食の人が50%を超えているといわれています。

台湾の家にはキッチンがないところが多いです。

自宅で料理を作ることがないのも手伝って、台湾グルメが盛り上がっているのでしょう。

朝ごはん屋さんで朝食を買って、職場や学校で食べるといった光景がよく見られています。

外食文化の台湾では、街を歩けば至るところに飲食店が見られます。

観光客向けのお店は値段が高いことが多いですが、ローカルなところに行くとお手頃な価格で食事を楽しむことが可能です。

台湾の観光地にあるお店で、1日3食+屋台グルメや間食も楽しんだ場合の目安金額は5,000円です。

もちろん地元の方しかいかないようなお店に行けばもっと値段を抑えることができますが、観光客向けのお店にしかいかないなら5000円はかかると思って間違いないでしょう。

朝食は500円

朝食の相場は500円程度です。

ホテルで朝食がついている場合が多いと思うので、利用機会は少ないかもしれませんが、ホテル周辺にも朝食専門のお店がたくさんあるのでぜひ利用してみて下さい。

台湾の定番朝食として知られるのが、蛋餅(ダンピン)と豆漿(ドウジャン)です。

蛋餅は卵焼きクレープで、豆漿は豆乳スープ。

この2つをセットで頼むのが台湾の朝ごはんの定番で、加えて豆漿に油條(ユーティヤオ)という揚げパンをつけて食べることも多いです。

お店にもよりますが、定番朝食セットを頼むと500円程度になります。

昼食と夕食は1,000~1,500円

台湾の商業施設に入っているフードコートで食事をする場合、1食当たり1,000~1,500円(昼食、夕食)が相場です。

「日本とあんまり変わらないな」と思った人もいるかもしれません。

そうなんです!

日本の商業施設に入っているお店と台湾の商業施設に入っているお店を比較してみると、金額的にはほとんど同じ事に気が付きます。

1食当たり1,000~1,500円(昼食、夕食)という相場は、商業施設に入っているフードコートや駅前に多い店舗型のお店の相場です。

日本でいう定食屋さんといったところでしょうか。

こういったお店で食べられる食事の値段は、日本と一緒と考えて間違いありません。

屋台グルメは500円

もし夜市で屋台グルメを食べるなら、1食あたり500円程度が目安です。

ここで「台湾の夜市はなぜ安いのか?物価が安いからじゃないのか?」という疑問がでると思います。

しかし、それは半分正解で半分間違いです。

夜市の料理が安い大きな理由は、店舗がないからです。

台湾の夜市は日本のお祭りとよく似ており、店舗を持たない移動式の出店が多く出店しています。

よく見ると下に滑車がついており、夜市が終わる時間(深夜1時くらい)になると帰っていきます。

店舗がない分、料金を抑えることができているわけです。

夜市にある店舗型のお店には、安いところ(3、4品頼んで700円前後)もありますが、1,000~2,000円くらいするお店もあります。

特に観光客をターゲットにした夜市では値段が高いお店が多いです。

夜市でみかける屋台では、エリンギを焼いてカットし味つけしたものが約450円で販売されています。

円安の影響もあって、夜市のお店でも割安感はなくなってきました。

夜市で食べ歩きをする場合は、2,000円ぐらいはみておいた方が良いです。

若い女性に人気の火鍋のお店なんかも、観光地にある店舗は1食1,000円を超えるところが多いです。

台湾スイーツ

それこそ2020年までは、台湾スイーツを現地で食べた方が安いと言われていました。

しかし2023年現在、現地の飲食店で食べることができる台湾スイーツの値段は日本と比較しても安くはありません。

日本の台湾スイーツのお店で食べる場合とほとんど変わらないお値段がします。

これは円安や物価上昇、さらには観光地価格といった複合的な要因があると思います。

たとえば日本で大人気の台湾かき氷ですが、台湾の有名店で食べると日本円で1,000~2,000円程度します。

2~3人で食べられる量なのでお得と言えばお得かもしれませんが、日本のかき氷屋さんと比べてもお値打ち感はありません。

台湾ドリンク

日本で大流行中のタピオカは、実は台湾が発祥です。

街のあちこちにタピオカのお店があります。

日本でタピオカ1杯頼むと700円くらいしますが、台湾では120円程度で飲めてしまいます。

ただ2023年現在、観光地ではお値段高めのタピオカドリンクも増えてきています。

それでも1杯あたり300円くらいなので、日本に比べると安いです。

2023年に入ってからも、ドリンクに関してはまだまだお得感があると思います。

ビックマック指数

台湾物価

「物価を知るには、その国のビッグマックの値段を知れ」という言葉があります。

ビッグマック指数と呼ばれる指標もあり、物価を手軽に知るためには欠かせません。

ビッグマックの値段はその国の物価を大きく表します。

2021年11月時点では、日本のビックマックは390円で台湾は72元(295円)でした

それから約2年が経過した2023年7月には日本のビッグマックが450円、台湾のビッグマックが75元(339円)となっています

台湾の方がビックマックの価格が約100円ほど安くなります。

ビックマック指数だけをみれば、台湾の方が日本よりも物価が安いことになりますね。

日本も台湾もビックマックの価格があがってきており、物価が上昇していることがうかがいしれます。

スーパーマーケットで物価を調査

観光地にあるお店やビックマック指数だけを比べても、十分に台湾の物価を知ることができません。

物価を知りたい方におすすめなのは、スーパーマーケットで販売されているものの値段を比較することです。

スーパーマーケットは地元の方がメインで利用されるので、物価が反映されるといわれています。

台湾のスーパーでは、野菜や果物が日本より安く売られているものもあります。

特に南国ならではのフルーツ、マンゴーやドラゴンフルーツは日本に比べて大幅に安いです。

しかし、全体的な価格でいえばあまり日本と変わりません

台湾の食料品は野菜、果物を除き、日本と同じくらいか高いくらいです。

交通費は1日1,000円でOK

台北観光でかかる交通費は、1日1,000円程度です。

※目安金額は、バス、地下鉄などの公共の乗り物を使った場合を想定しています。

食費は日本と変わらないくらいかかる台湾ですが、交通費は台湾のほうがかなり安いです。

台湾のバス、地下鉄、タクシーは、日本の半分くらいの物価。

タクシー

台湾タクシー

台湾のタクシーの初乗り料金は、1.25㎞あたり80元(約300円)程度になります。

日本のタクシーの初乗りと比較して、距離当たりの料金は2分の1程度が相場。

古いブログでは初乗り70元と紹介されていることがありますが、初乗り料金は年々上昇中です。

台北、台中、高雄などの主要都市ごとに初乗り料金は異なりますのでご注意ください。

物価の上昇に伴っているのかタクシー料金は値上がり傾向にありますが、それでも日本に比べると安いです。

台湾留学をしている学生でもタクシーを気軽に利用できます。

台湾中部の台中でタクシーに1時間乗車(約50キロ)したときに料金は3000円程度でした。

バス

台湾バス

台湾のバスの初乗り料金は15元(約60円)になります。

日本のバスの初乗り料金は200円程度となっており、台湾のほうが安いことがわかります。

台湾も日本も地域によって金額は若干前後し、例えば台中の場合は10㎞までの乗車なら無料でバスに乗れます。

台湾はバス網が整備されており、バス無料化などを実現している都市もありました。

台北駅から九份まで1時間の道のりを行く、直通バスも料金は350円程度です。

しかも、リクライニング機能と充電用のコンセント付き。

台湾のバス料金は、日本のバス料金と比べて4分の1程度になります。

地下鉄

台湾地下鉄

台北中心部にくまなくめぐらされている地下鉄の初乗り料金は20元(約80円)です。

東京メトロの初乗り料金170円と比較すると、2分の1程度の値段になります。

日本の地下鉄の初乗り料金は200円程度に設定されているところが多いですから、台湾地下鉄の安さが際立ちます。

台湾の地下鉄を使えば、士林夜市、故宮博物館、淡水、西門、東門、龍山寺、台北101、台北動物園、猫空などにも簡単にアクセスできます。

地下鉄とバスをメインで使えば、1日の交通費は1,000円程度で済みます。

電車

台湾の地方都市やランタンあげで有名な十分に行くときには、電車(台湾鉄道)の利用が必要です。

台湾鉄道の初乗りは、18元(60円)、小田急線の初乗り運賃130円と比較すると、約2分の1です。

台北駅から電車で1時間程度のところにある十分には、68元(250円程度)で行けてしまいます。

新幹線

台湾の新幹線は、はっきり言ってめちゃくちゃ安いです。

台湾の新幹線の初乗り料金は、なんと35元(120円程度)。

台湾の首都台北から最南端の都市、高雄まで約350キロの道のりを1445元(約5,000円で移動できてしまいます)

同じくらいの距離で比較すると、東京から名古屋(同じく約350キロ)の料金は10,560円です。

約半額で乗れてしまいます。

使われている車両は日本製の車両(日本の新幹線と同じ)です。

観光地の入場料

観光地の入場料は日本より安いか同じくらいです。

日本ではお金をとられることもある、神社やお寺などは入場料を取りません。

世界4大博物館のひとつである故宮博物館は、入場料が250元(約900円)

台湾のランドマーク、台北101ツインタワーの展望台入場は、600元(約2,100円)

アジア最大規模の大きさを誇る、台北市立動物園の入場料は60元(200円)になります。

行く観光地にもよりますが、観光施設入場料として1日2,000円程度が目安です。

お土産

空港や駅などのお土産屋さんで売っている商品の物価は、日本と同じくらいです。日本の空港で買えるものと、台湾の空港で買えるもの価格にあまり違いはありません。

空港や駅のお店を利用していけないわけではないですが、少し高めの値段設定です。

夜市やスーパーで購入すれば、少し安く購入できます。

お土産は何を買うか人によって個人差が大きいですが、台湾の有名なパイナップルケーキを5箱程度購入すると想定すると、1,000~3,000円程度が目安

上記の計算から、食費、デザート、ドリンク代、交通費、観光地の入場料、お土産代をいれても10,000円で十分遊べると結論付けています。

ホテル宿泊費

ホテルの宿泊にかかる費用は、日本の7掛けぐらいです。

ホテル予約サイトを利用すれば事前の支払いが可能なので、両替料金には参入していません。

台湾では国賓クラスの方が泊まる5つ星ホテルでも、1人当たり7,000円程度で宿泊ができてしまいます

このような違いが出ている理由の一つに、台湾のホテル事情があります。

日本ではホテル料金が1人ごとに請求されますが、台湾では部屋ごとの料金設定になっています。

そのため、ホテル宿泊にかかる費用はかなり安く済むのです。

複数人でホテルを利用する場合は、日本で同じクラスのホテルの泊まる半額程度で宿泊ができてしまいます。

ウーバーイーツの配達料金

台湾は、ウーバーイーツなどの宅配サービスが盛んです。

日本でウーバーイーツを利用すると配達料金が300円程度かかりますが、台湾のウーバーイーツの配達料は100円程度

3分の1程度の料金です。

日本でダウンロードしたアプリは台湾でも使えますホテルのロビーにも届けてくれるので観光客でも利用可能です。

台湾のテレビ局の報道によると、ウーバーイーツの配達員として月に60万程度稼ぐ方も多く、台湾では人気の職業になっています。

日本でもウーバーイーツがかなり展開しており、副業や学生のアルバイトとしても人気です。

Uber Eats フード注文

賃貸料金

台湾のワンルームマンションは、5万円~7万円程度が相場です。

この数字は、東京近郊とあまり変わりません。

台湾の首都台北には古いワンルームマンションが多く、築数十年のアパートでも5万くらいします。

台湾の物価は上昇している

2023年現在、台湾の物価はかなり日本の物価に近づいています。

日本のシャープを買収した鴻海(ホンハイ)をはじめ、世界的な企業がたくさんあり日本が負けてる部分も多いです。

再開発もかなり進められており、地下鉄の建設や高速鉄道(新幹線)の路線の拡充なども進んでいます。

台湾の最低賃金は160元(560円)

台湾の最低賃金は160元です。

日本の最低賃金の大体半分くらいになります。

しかしこの数字は年々上がってきており、数年前は135元(470円)でした。

経済成長が著しい台湾では、物価の上昇とともに賃金の上昇も見込まれています。